子午線の
まちで瞬く
冬星の
神も目を剥く
隣人のアレ

乗り換えの
三宮駅
忙しい
大判焼に
甘い豚まん

電車乗り
塩屋と須磨の
間には
海とひとつに
なるひとときが

播州の
秋を彩る
曼珠沙華
道立つ紙手と
競う紅

まだ残る
夏を探しに
来たけれど
揺れていたのは
濃い海の色

淡路島
四季折々の
花出会い
自分見つめる
サンセットライン

姫路城
本物よりも
綺麗だな
栞に映る
白いお姿

赤じゃない
あなたを繋いだ
糸は白
コシの強いは
あなたと同じ

MOSAICの
観覧車から
潜水艦
見えても君の
心見えない

この景色
見たくて乗り継ぐ
在来線
須磨海岸の
海の煌めき

やっさ舁(か)く
まわし姿に
惚れたけど
祭り過ぎたら
ただのオッサン

冬はカニ
春はくぎ煮の
香り立つ
夏はレジャーで
秋祭り

手を曳かれ
ええとこええとこ
新開地
夢の残滓の
眠ってまひる

うまいかと
雷満月
チャンポンメン
鞄にぎっしり
故郷発つ朝

ルミナリエ
光でできた
手のひらが
見上げる子らの
頭を撫でる

ぎっしりと
大きく雅
大納言
小豆ぜんざい
まんぷくでおじゃる

E

桜より
近所で感じる
イカナゴの
今年も来たな
神戸の春

叶うなら
あの日の須磨へ
ガラス越し
揺らめく水と
君の横顔

粕汁で
酔うただなんて
ワタシ
可愛すぎるやん
くどかんといてよ

坂を見て
北を判断
お友達
峠を越えたら
迷子確定

住んでても
知らない世界
広がって
幾度も巡る
異国旅行

駅降りて
二分でビーチの
須磨海岸
ビキニで電車も
珍しからず

日の本の
経緯交わる
へそにある
柄鮮やかな
播州織

ペダルこぐ
視野の半分
海の道
ぐるり一周
オノコロの島

六甲は
みんなあおくて
海の色
空の色そして
揺れる樹々の葉

昼夜して
煙たなびく
陶の郷
陶工(とうく)の技を
つないで磨く

どこまでも
自転車で行ける
気がしたよ
君と共に
西宮の道

ぼっかけも
追加しとけば
よかったな
初のそばめし
ラスト一口

熱闘に
声張り上げて
疲れ果て
窓にもたれる
甲子園帰り

隣ん家
茶色いタオルが
干してある
もうすぐ来るか
炭酸せんべい

兵庫の
秋は味覚の
玉手箱
栗に枝豆
柿に松茸

姫路城
これから息子を
よろしくと
祈りに祈った
弥生ははるかに

でぇしょん？
挨拶交わす
気軽さが
播州赤穂
塩（えん）と縁のまち

おはようの
代わりにテレビ
つけてみる
日曜朝は
「ひようご発信！」

G

千種川、
市川、加古川、
揖保川の
河口でブギウギ
瀬戸の小魚

誇らしい
気持ちで眺める
姫路城
威風堂々たる
姿よTOWA（永遠）に

播州弁
夫方が使う
その言葉
ビビってた私
今じゃ普通語

ママ友の
くぎ煮香ばし
火を止める
1秒前の
迷いが分かる

春の日に
別れを告げる
空港に
着かないでくれ
ポートライナー

春しらす
夏は鱧だね
秋は鯛
冬はとらふぐ
おお淡路島

きみの頬
夕陽が染める
瀬戸内の
よせる波音
愛のあかしに

雲のない
晴れの日なんて
超レアよ
仕事休んで
竹野の海行こ

えきそばと
お出汁たこ焼き
御座候
帰省時満喫
粉もんグルメ

消え失せし
怪しき猥雑
モトコーの
蟻の巣穴も
今は昔か

忘れたい
思い出ばかり
落ちている
スカイパークが
こんなに広い

外視れば
雪舞い上がる
日本海
豪雪地帯と
誇れよ但馬

布引の
名前が似合う
乗り物で
ゆっくり空を
横切っていく

麗しき
須磨の浦にて
吾(あ)を熱く
迎えくれたる
愛しき友よ

峠には
あらねど君は
別れゆく
「水分れ橋」に
雨は降りたり

神様が
描いた雲の
モザイクを
見せてあげたい
都会の君に

たわわなる
枝つき丹波
枝豆に
かける手間ひま
厭わぬ旨さ

国産みの
始まりし土地
零地点
日本のへそに
立ち深呼吸

どちらから？
神戸です。神戸
イメージと
違っていたら
ごめんあそばせ

湊川
とおり賑わう
店めぐり
三百万で
ひき肉を買う

蔵開き
巡って心を
通わせる
ふるさとが
酒どころなんて最高やん

甲子園
球児たちの
熱い夏
離れていても
歓声止まず

人生で
初めて降りる
舞子駅
大橋見上げ
君が待ってた

おもたせの
今川焼き食べ
温めたし
新茶うまいけど
それ御座候や

靴のまち
慣れないヒール
履いてみた
だってあなたと
手を繋ぎたい

雲海に
浮かぶ竹田
城跡は
夢の広がる
但馬の宝

初飛来
鹿児島の地に
コウノトリ
五国の足環
友の便りに

君と行く
黒枝豆の
解禁日
ニコニコマークで
手帳に記す

若き母
バイトに通った
アーケード
今は私が
鉄人見上げて

イナイチや
イナロクと呼ぶ
国道に
肩を並べる
産業道路

寒空に
ひとりぼっちの
ポートタワー
辛い涙も
キラキラにして

踊ろうぜ
喜怒哀楽を
受け入れて
聴きなじみある
親友の声

B

県外の
友だち来たら
楠公さん
あとは有馬と
ハーブ園

F

大好きな
あなたに会えるの
楽しみに
明石公園
朝散歩

通院の
帰りの
天文科学館
今夜の風は
潮が濃いのか

行かずとも
分かる結果は
午後10時
黄色のウェーブ
かける車内

ゾウガメに
エサやり体験
してみたい
それと知ってる？
アトアの階段

廃線を
歩けば眼下の
渓流に
あの日の汽車の
窓ふと過り

「おめでとう！
ヴィッセル神戸」
席を立ち
歓喜のなかで
ハイタッチする

羽休め
見つむる先の
淡路島
白鷺城は
けふも輝く

コウノトリが
日課の祖父は
のんべえで
来世は灘に
巣を作るかな

甲子園
出たのが自慢
その実は
予選でしかも
コールド負けで

鉄塔の
美女が見守る
神戸港
船の灯りに
君の顔

黒豆を
買って来たから
問うことを
止めよう夫の
謎の一泊

お菓子だけ
お目当てだった
地蔵盆
みな健やかにと
今は願いて

まどろみの
中で異国の
喧騒が
聞こえる夜の
阪神電車

海と山
都会も島も
揃ってる
なんでもあるの
日本の縮図

町に住む
民の声音を
聞き分けて
台詞紡ぎし
近松の耳

頼まれて
鍋島段通
送ったね
赤穂の会館
お元気ですか

コンクリの
森に佇む
青りんご
スピカの光を
放ち続けて

湯が好きで
城崎有馬
はしごして
肩書脱いで
ひらがなとなる

ため池に
降り立つ白は
こうのとり
小魚つばみ
また旅に出る

まだ慣れぬ
阪急電車の
タイガース
阪神電車の
駅の阪急

六甲の
けっこうキツイ
登頂後
ほっこり有馬
めっぽう楽し

君がいう
シャネルまがいの
暮夜灯り
市章山へと
越える言の葉

380
おはようさんと
ミルク・オーレ
ここから始まる
長田の朝

通勤の
車内は静か
君1人
顔上げ
明石海峡を見る

姫路駅
新快速が
やってくる
急げ駅そば
残り二口

五色塚の石
ひとつひとつに
心あらば
鎮魂どころか
踊る魂

桃色の
じゅうたんに立ち
この時季が
巡り来たねと
コスモスの丘

近代化
牽引をした
馬車道は
生野の銀を
播磨の海へ

東京の
友と餃子を
元町で
台風が来て
台風が去る

路地ゆけば
換気扇から
流れくる
甘辛い風
釘煮の春よ

久しぶり
夫とふたり
有馬の湯
自然学校
子の留守中

どこまでも
登って下って
また登る
まるで人生
播磨アルプス

渡り来る
アサギマダラに
問ひ掛ける
兵庫は如何に
次は何方へ

黄金に
輝く干潟
新舞子
潮風浴びて
レンズを向ける

さくら、月
夕日 、青空、
もみじ、雪
映えぬもの無し
白鷺の城

城崎で
投石してる
石の壁
直哉の気持ち
知りたき１０代

額縁の
中に真紅の
ドウダンツツジ
君の横顔
影絵のように

国宝も
世界遺産も
知らなんだ
いつもお城は
そこにあったよ

あんまよく
知らんねんけど、
神戸ではアホのこと
ダボって言うらしい

餌ねだる
水族園の
海亀よ
瞳の奥に
龍宮を見た

長田さん
楠公さんに
生田さん
母と詣でた
春陽の正月

淡路島の
海の青さと
船盛りに
喧嘩の続きは
帰ってからに

君聴きし
いつかの波音
いずこかと
一人で探す
須磨の海岸

阪急の
電車の窓から
見下ろせば
通学の道
私の青春

カマンベール
経由楽園
墓地前の
９時到着の
バスに乗ったよ

B

湯の香り
欄干凭れ
城崎に
文豪描く
生き様に触れ

大粒で
もっちりとした
枝豆は
黒いダイヤと
珍重される

異界へと
つながる予感
漂わせ
ガリバートンネル
小粋なフォルム

神戸牛
支える母牛
田んぼ鋤く
おわれて見たのは
いつの日か

小籠包
テイクアウトの
南京町
メリケンパークで
舌鼓打つ

きゅうしょくで
もうしちゃのみ
にがいなぁ
大人のあじだ
でものむぞ

業平も
源氏も来る
須磨の浦
明石大門に
陽は沈みたり

祭りには
帰ってくるかと
声揃え
冬支度まえ
播州の秋

京のはも`
なにわのはもと
言うけれど
取れた所は
淡路島沖

足ふたつ
無い松葉蟹を
買う俺も
世間的には
訳ありだろう

いかなごを
こうなごと言う
土地に来て
それでも炊けば
ふるさとの味

昔から
流行歌にも
唄われる
神戸の街の
夜の華やぎ

母子(もうし)茶に
ほっと一息
湖畔にて
水面(みなも)に映ゆる
有馬の富士は

城跡に
虹より高き
抛物線
伸びゆく夏の
明石球場

篠山の
大栗みたいに
渋抜けて
旨いぞ
退職後の主人は

起きてたら
眺めていたい
車窓から
阪急山の手
ライナーウミソラ

F

もうここに
ないと知りつつ
「ここだよ」と
誰もが口を
揃えるパイ山

髪型を
褒められた日は
但馬なる
空港からの
夕日美し

神戸牛へと
名を変える
但馬牛のように春には
町を出る君

右に駒
左に闘志
夢掲げ
「棋士のまち」の子
今ぞ羽ばたけ

F

令和の代に
生まれし子と
どんぐりをひろう
いなみ野万葉の森

生野越え
弁当忘れても
傘忘れるな

ぬくまる手
旦那にのばす
有馬温泉
帰り外気の
冷たさ途方に暮れ

赤とんぼ
口ずさみつつ
寅さんの
播磨のロケ地
夕焼け小焼け

南へと
進む足取り
止むこと無し
北へ進めば
足取り重し

文芸の
盛んな兵庫に
感謝せん
県外からの
投句も受理す

揖保乃糸
孫の笑顔で
思い出す
母を送りし
あの暑き夏

登校時
脇目もふらず
駆け抜けて
いつも変わらず
ある姫路城

両の手に
大橋握って
浮かんでる
淡路の空気は
とても美味しい

宮水は
「西宮の水」
略してる
その日のうちに
10回教えた

将棋の町
加古川駅に
ある盤面
詰め将棋に暮れ
時を忘れる

加古川に
青き流れの
戦（いくさ）あり
若き光彩
まさに集えり

地震(じぶり)にも
耐えて明石海峡大橋よ
世界ニ位と
なりてしまえど

小野カッパ
願いましては
パチパチと
そろばん弾き
脳トレ励む

親友が
送ってくれた
夜景写真
ハーバーランド
もうクリスマス

空っぽな日
北野坂にて
パンを買う
私の世界
ひだまりになる

A

旅先で
知った「かつめし」
自宅でも
作ってみるが
味違う不思議

里山は
落ち葉の絨毯
冬支度
兵庫五国に
グルメ旅

黙浴の
張り紙ありて
鴻の湯の
湯船で小さく
鼻歌歌う

淡路の陽
薫るスパイス
おみやげに
今でもずっと
笑いあえるね

教へてよ
きれいなあなたの
眼のなかの
神戸市北区
有野中町

なにしとん
ばり久しぶり
神戸弁
同窓会で
笑顔に添えて

右手にパン、
左手に菓子、
北野坂
両足がつる
気配が見えて

F

一陣の
風の川から
吹き上げて
武庫川駅に
夏の到来

丸き鳥
赤青黄色
フェニックス
兵庫の代表
はばたんという

ぬばたまの
夜に誘われ
六甲山
ひとみの中に
君と灯火

雪降りて
城崎外湯
入りけり
蟹を食べたり
幸せになる

E

懐かしき
母校の校歌
口ずさむ
歌詞の頭は
六甲おろし

蛸うまい
明石に来たら
玉子焼
出汁にひたせば
笑顔のあなた

出身は
北播磨です
初任地は
第二のふるさと
但馬懐かし

「播磨では
見ない顔ね、
ぼく？わたし？」
「かわいい僕です」
晴れた日の午後

見渡せば
播磨平野に、
牡蠣筏
梅と潮の香
深呼吸

黒豆の
美味の元なる
寒暖差
丹波濃霧ぞ
人には厳しき

いつか行く
棋友と共に
決めている
「鰻・将棋屋」
一局指そう

H

旅終る
ビルが増えてく
窓の外
ひきとめないで
二重虹

玉子焼き
仲良く座る
あげ板へ
ぽよぽよほかほか
ひだまりのよう

A

港湾に
どでかい倉庫
どどんとな
港神戸の
ど迫力かな

雄岡山
仲良く並ぶ
雌岡山
梅花にまさる
貴女の香り

初デート
海にドライブ
目的は
イカ釣船の
イルミネーション

姫路城
北へ播磨路
読めぬ宍粟
猪鹿熊の
山里ありて

辰鼓楼
見上げ往時を
偲んだら
太鼓の音も
聞こえるようだ

皿そばが
埋め尽くされた
テーブルを
眺めて想う
家族の成長

C

冬過ぎて
水も流るる
松ぼくり
苦楽をこえて
ここに根を張る

ありがたく
今日もいただく
黒枝豆
ちぎってはゆで
ちぎってはゆで

かきおこの
怒れるかきの
じゅうじゅうじゅう
ヘラでこそげる
日曜の午後

岩文字に
春夏秋冬
はめこんで
橋を飾るや
舞子公園

明石より
やっぱりあなたに
似合うのは
われ関せずの
塩屋海岸

春風で
郵便局の
旗なびき
祖母の家から
香るはくぎ煮

いつか行く
行くことだけは
決まってる
有馬兵衛の
光陽閣へ

H

武庫の川
駅伝・野球
駆け巡り
落日に揺る
コスモスの花

播磨にも
やって来たよと
コウノトリ
三羽育てて
ゆうゆうと舞う

「山側で
待っているね」と
ＬＩＮＥ（ライン）あり
君へといそぐ
大丸のなか

駅そばは
駅で食わんと
あかんねん
帰宅遅れる
LINEが届く

出身地
どこか問われて
答えるが
そこはちがうねん
隣の府やねん

鹿ケ壺
播磨の奥に
眠る滝
竜神伝説
今に伝えて

白鷺の
羽を広げて
碧空に
つんざき抜ける
城に文句なし

寒さゆえ
シベリアだとか
チベットと
呼ばれて久し
ここは三田市

月から金
自分なりに
駆け抜けた
私を癒す
神戸の夜景

二日あれば
どこでも行ける
はずなのに
ミント神戸は
買い物の場所

山電の
シートふかふか
夢の中
気のせい？君の
瞳も揺れてる

温泉で
初めて語る
腹の内
カニがぎっしり
夢がびっしり

E

カレーパンの
中にきらきら
反射する
淡路玉ねぎの
たしかな甘さ

はじめまして、
私の出身
なんで分かったん？
集合場所の
駅の山側

G

わすれない
成人式の
きみの笑顔
神戸へもどる
その後ろ姿

初めての
デートは香住の
かえる島
夕日に染まる
君にみとれる

城崎で
カニをたらふく
食べた夜は
主の顔まで
蟹に見えたり

E

加古川に
住むあの人の
今、未来
ひだまりであれと
願う　ここから

A

住んでたよ
聞かされ回る
生野銀山
同じ時空へ

引き出物
もらった包丁
ふるさとは
ここだったのか
三木の金物

鉄チェーン
巻いて疾走
神姫バス
限界集落
唯一の足

片言の
英語で夢を
語り合う
灘五郷イズ
小さな世界

花電車
母と見た街
板宿に
今は独居の
息子を託し

スケッチに
三間四面の
鶴林寺　
聖徳太子の　
学舎の地よ

センター街を
闊歩していた
跡形が
ほらあそこにも
残っているよ

外湯出て
木々に灯りの
川に酔う
きみと水面が
くるくる光る

潮干狩り
互いに塗り合う
日焼け止め
照り返す波
新舞子浜

待ち合わせは
そごうと言って
言い換える
思い出のページは
そのままにして

妻鹿漁港
『釣れてますかと』
声を聞き
かえり見すれば
３０年ぶりの同級生

秋深き
隣も野球
観る人で
歓声上がる
阪神優勝

凛とした
その佇まい
花のみち
菫のような
人になりたい

白く濃く
霧おり来たる
播磨野に
心のうちを
そっと隠しに

ふと海が
見たくて乗った
神鉄が
須磨の浜辺で
見せた本気度

海と山
たまに待ち合わせをしてる
トアロードから
流れるポルカ

甲山
夕焼け背負って
下り坂
駆け降りて行く
影法師たち

晩酌の
肴は蒸し牡蠣
珠せいろ
故郷からの
返礼の品

聴きながら
まどろむ幸せ
あきらめて
最前列の
演奏会は

道中は
在来線に
乗り換えて
キラキラキラキラ
嗚呼播磨灘

牛、カニや
猪（シシ）まで歩む
銀の道
行く手に待ってる
水仙の花

マルテンに
ヒガシマルあり
矢木も来て
醤油論争
止むことはなし

朝来る
陽光受けて
キラキラの
雲海のぞむ
天空の城

馬の背（せ）の
せまく険しき
尾根わたり
須磨を背（そびら）に
宝塚へと

城崎の
外湯めぐりし
湯籠手に
川のほとりで
君待つ時間

E

神戸のへん
詐欺師にあらず
加古川、高砂
説明しても
わかってもらえぬ

文芸の街
尼崎
行きたいな
表彰式に
「欠」と書いたけど

給食で
いつも食べてた
ぼたん汁
宍粟のジビエは
あたたかい味

コスモスが
朝日照らされ
美しい
寝ぼけ眼の
素顔の笑顔

今は死語？
武庫の山並み
茅渟の海
覚えられたは
校歌のおかげ

徹夜明け
テストの後の
草むしり
世界遺産の
姫路城

大切な
ひとが生まれ
育った街
岡山県だと
思ってたあの頃

何もない
田舎だけれど
自慢する
水道代と
塩の街だと

ばいばいの
腕にてすこし
傾ける
帰省のおわりの
おかめ弁当

灘の酒が
宇宙一やと
ゆうたなら
ひ孫の代まで
酔わせてくれよ

甲山
初雪まだかと
薪をくべ
今か今かと
待ちおりしかな

G

岩津ねぎ
瑞々しさと
その甘さ
天ぷらにして
小鼓一献

かに漁の
無事とお陰に
感謝して
岸で手伝う
家族の笑顔

モトコーが
建て変わっても
薄暗い
闇の記憶は
消えないままで

宮っ子は
誰もがみんな
甲子園
出場したと
自慢ができる

軽やかに
モンベル背負って
日帰りで
さくらやまなみ
バスに乗り込む

摂丹を
行きつ戻りつ
有馬越え
虎バッグ背に
野球聞きつつ

有岡の孤城
その地踏みしめ
今は亡き村重の魂

古き良き
重伝建の
出石には
歩けば京の
風を感じる

木枯らしの
吹く日は買わん
御座候
カイロ代わりに
抱く帰り道

明石城
全方向に
散らばって
鬼ごっこする
14の春

春花見
夏羽束川
秋は栗
冬は光の
饗宴巡り

中継で
夕立映る
甲子園
そろそろこっちも
降るんとちゃうか？

旧線を
歩き眼下の
渓流に
あの日の汽車の
窓をふと

指さして
「私のお城」
吾子が言う
シロトピアだって
「私のお庭」

駅降りて
山の冷たい
風感じ
見上げる空に
満天の星

おいしすぎ
スイーツパンと
悩ましい
いくらあっても
胃袋足りぬ

江戸っ子を
駅で待たせて
ビビられる
浜ちゃん育った
尼崎の街

銭湯の
帰りに父と
した約束
「ポートタワーに
一番乗りや」

s o r aかさい
鶉野（うずらの）の地で
特攻の文（ふみ）を読むとき
涕泗（ていし）流れる

かこせん（加古川線）の
駅に向かって
猛ダッシュ
これを逃せば
遅刻確定

須磨の浦
ロープウェイで
山頂へ
夕陽に染まる
貴女のうなじ

え！出身同じやんか、
地元どこ？西脇？
あそこか、おへそのとこ！

丹波栗
記紀にも紹介
された味
時空を超えて
広く知られる

どこまでも
澄み渡る空
摩耶山上
小さな悩み
すっと消えてく

郵便に
大阪府と
書いてある
伊丹は兵庫
別にええけど

君が住む
街から届く
消印は
「加古川」今年も
春告げており

出身は
姫路なんです
我こそは
播州うまれ
播州そだち

この街は
停まらないかと
思ってた
「直通特急」
入社式の朝

海のアホ！
心で叫ぶ
芦屋浜
砂二粒を
埋立地へ投げる

友はもう
母の顔つき
昆陽池に
日本列島
ぽわんと浮かぶ

山側は
価値がわからぬ
路線かな
海岸線の
不遇なことよ

あの頃は
酒蔵巡り
興味なし
今は往きたい
灘・西宮

旧居留地
デビューは大丸で買った
ジルスチュアートの
ハイヒール履いて

コウノトリが
日課の祖父は
酒好きで
来世は灘に
巣を作るかな

笑顔だけど
なにしよんどいや
ただ怖い
魚町の親戚
人はいいけど

旅先で
各地のお城を
見て思う
白鷺城に
優るものなし

塩屋から
須磨のあいだに
光る海
きっと世界は
ひだまりやのに

A

ああここが
あの場面だね
寅さんの
播磨のロケ地
夕焼け小焼け

フカヒレも
蛙唐揚げ
タンタンも
全部神戸が
初めてでした

ポーアイで
別れの記憶　
なつかしむ　
私の心は
貝の殻

盤上の
燃えるセッション
終わり告げ
静寂戻る
秋鶴林寺

友情の
あかしでもらった
コンバース、
豊岡じゃ
履きづらいって

大阪と
思い込まれて
甲子園
TDLの
気持ちわかりみ

岩津ねぎ
暑さ寒さに
耐えおりて
今夜我が家の
なべの中なり

砂に染む
汗と涙の
甲子園
砂も震えた
若さの鼓動よ

誕生日
入園入学
七五三
笑顔のぼくと
ファミちゃんリアちゃん

砂時計
明石の友と
玉子焼き
積もる話も
あと少しだけ

A

曼殊沙華米を
見張って包囲する
空から天敵
守るがごとく

日本海
明石海峡
鳴門まで
それぞれの海
それぞれの恋

栗大豆
黒豆スイカ
山の芋
育ての親は
丹波の風土

足跡を
踏んでふらふら
御前浜
アオサギぎろり
あなたでしたか

海岸列車
読んできてみた
鎧駅
後悔ないけど
どうするの80分

月見山
阪神高速
ジャンクション
カーラジオより
流れる魅惑

県予選
甲子園にて
試合出来たは
三崎省三
在りし故

ひとりでは
乗ったことない
だからこそ
思い出駆ける
オノコロのソリ

ほくほくと
炊きあがったよ
栗ご飯
丹波の寒い
夜のぬくもり

温泉に
つかるわたしも
心の中
あなたと浸かる
湯にてほっこり

E

老いゆきて
墓参はるけき
但馬路の
氷ノ山麓
しぐれているらし

丹波産
黒豆ふっくら
柔らかく
蛋白たっぷり
お節に添える

どこ生まれ?
兵庫生まれと
答えれず
少しサバ読み
言う大阪府

御座候
アカかシロかで
恋占い
次はいけるか
アカが出たから

あなたこそ
甲山だったのに
いつだって
こんな見てくれてたのに

G

年の瀬に
大鍋に浸かる
丹波の黒豆
亡き祖父思う
故郷の味

摩耶山で
懐かしき方と　
おしゃべりし　
ゆったりほっこり
こころ充電

今はもう
世界遺産の
城堀に
犬と除きし
フクロウの住処

御座候
おまんら食べえと
義父の声
懐かしすぎて
餡がしょっぱい

五十四に
なる日に夫が
贈れしは
明石大橋
二連の真珠

耳澄ませ
十五夜の夜
音楽会
灯りを消して
息をひそめば

鬼女蘭と
藤袴にて
おもてなし
アサギマダラは
佐用を目指す

わたくしは
七月生まれ
本日は
明石タコ足
バターで決まり

三十年
くすぶり続けて
働いた
ここは城崎
湯けむりの街

三宮
一貫楼の
行列に
惜しまず並ぶ
冬昼下がり

香住の蟹
たらふく食べに
母二人
息子二人の
老老漫遊

ベランダに
降りて眺める
有馬富士
かかる濃霧が
寒さを告げる

篠山と
丹波は別や
言うとんねん
ぬるい水で
顔洗う夏

天空の
城が浮かんだ
雲の上
浮いた話は
私にはない

ママ友と
コスモス畑
武庫川沿い
咲くのは花と
うふふ、お喋り

揺るがない
求心力が
そこにある
もう15分も
DINDONの前

夜明け前
コーナー攻める
福男
熱い戦い
見守る戎

ヒメボタル
うつむく気持ちも
飛んでいく
林田川の
帰り道

涼しげな
音色に魅せられ
姫路行
やっと手にした
明珍火箸

どじょっこの
泳ぐ田んぼに
育まれ
但馬の空に
コウノトリ舞ふ

その昔
大阪行きの
新快速
車内販売
弁当売ってた

一夜明け
カニはいずこへ
今ふたり
おなかの中は
エビがぎっしり

E

南北の
まごうことなき
羅針盤
海に抱かれ
山に守られ

新旧が
顔付き合わす
高架下
今夜はどっちで
あったまる？

口悪い
播磨の人の
しゃべりかた
そんなことない
実はいいひと

豚まんの
首脳会議が
あるという
南京町で
霜月のころ

週末の
大橋眺め
旅気分
北へ南へ
ブレーキランプ

まだ踏めず、
君の住むまち
宝塚
住所はとうに
暗記したのに

デパ地下で
洋楽の音（ね）に
醸（かも）されて
われを踊らす
ピロシキの美味

まちとやま
こんなに近いの
ありがたい
秋晴れ摩耶山
癒しの休日

ここはどこ
足を踏み入れ
違う世界
桜舞うここは
北野異人館

世界への
出入口なる
港から
街に異国の
種が溢れる

生まれはと
訊かれて山と
海浮かぶ
神戸というは
そういうところ

吉川某の
せいで誰もが
知らないが
宮本武蔵の
生国播磨

父がいて
母が微笑む
元町の
本屋が我が家
こころの居場所

神戸市と
いへどもそこは
神戸にあらじ
北区西区の
いとかなし

「誰か紹介して」と頼まれ
連れて行く
昭和レトロな
須磨浦遊園

春夏に
若人来たり
甲子園
青空向けて
白球飛ぶ

北南
山か浜向く
東西
山に向かって
右左なり

歌えるで
有馬と淡路の
CM曲
宍粟も読めるし
神姫はバスやで

下町の
路地の迷路で
かくれんぼ
楠公さんと
昔の話

うずしおの
大洗濯機で
いらんもん
全部流して
あ〜すっきり‼︎

ふるさとが好き、
機窓から見る
イオンモール伊丹の
ぬくい明るさ

えきそばの
椀に映りし
割り箸や
白鷺城への
一本道

蟹食べようと
誘ってくれた君
まさかと期待も
君は蟹を想ふ

気を付けて
新幹線は
新神戸
在来線は
神戸駅だよ

武庫川に
もはや河鹿の
声はなく
月は出待ちの
乙女をぬらす

その昔
君と眺めた
海原は
面影もなく
高層住宅人工島

播但道
生野を越えると
雨か雲
帰ってきたなと
思う瞬間

秘密とて
百九十八段
登り友の
初恋聞きし
男山

おめでとう
言葉の代わりに
祝うのは
見渡す限りの
桜のトンネル

さらさらと
花びらの散る
花のみち
大劇場へ
花のトンネル

寄せ集め
てんでバラバラ
今やほら
五つ集えば
文殊の魅力

姫路城
戦下現在
共存し
生きる証を
継続中

二人では　
見下ろす夜景　
キラキラの　
帰路に一人で　
海から見上げて

ポスターの
五国を五色で
塗り分ける
虹みたいだね
どこから行こうね

トンネルを
抜けるとそこは
雪国で
チェーン装着
凍えて箕谷

海と山
神戸を彩る
２つの夜景
今日はなんだか
心に染み入る

晴れのまち
明石に住む吾を
先輩は
「この子ののんびり
瀬戸内気候」

香港の
田舎から来し
三人に
雪の城崎
但馬へ誘う

山の中
イガに守られ
丹波栗
甘味の中に
渋みを秘めて

朝霧が
きっとおいしく
してくれる
丹波篠山
黒枝豆

鬼太郎の
生まれた街を
見下ろして
一反木綿は
ふりふらひらり

いかなごは
いかにいずくか
行ったのか
仲間を連れて
また春伝えて

福原京
平家の御代の
一瞬で
三都に入れて
もろてええんかな

旅先の
山城浮城
愛でれども
うつくしきかな
わが白鷺城

魚ん棚
通りにひびく
売り声に
蛸は逃げ出し
鯛は跳ねてる

宝塚
乙女欠かせぬ
炭酸と
赫(あか)きダリアと
バレエの稽古

武庫川の
女子大生に
混じりつつ
君が勧めし
洋食屋に並ぶ

海側と
山側だけで
生きてきた
18年だ
私の神戸

天然の
氷切り出し
氷室入り
六甲枝垂れ
月冴え渡る

亡き祖父が
買ったファミリア
捨てられず
小さなケープ
眠り続ける

竹田城
祉桜良ければ
雲海も
登ってみたい
天空の郷

「久しぶり」
パイ山前で
笑う友の
マスクの下に
面影をみる

もうタイヤ
替えた？のあいさつ
ここちよく
こうして但馬の
冬が始まる

給食で
飲んで育った
牛乳や
懐かしきかな
共進牧場

花粉かな
目を赤くして
我旅立つ
姫路城の
白を背負って

B

夏は青
秋は黄金（こがね）の
波うねる
山田錦の
美しきかな

都会へと
憧れ出たが
兵庫五国を
グルっと回っていただけ

D

さえわたる
みどりのまつ（松）に
コウノトリ
ツル（鶴）は松には
止まらぬを知る

タクシーで
次を北へと
言っとうのは
まぎれも無いな
神戸の血やな

阪神の
悲願叶えし
アレのアレ
朝焼けもまた
五国に映える

涼しげな
音色に魅せられ
姫路行
やっと手にした
明珍火箸

いにしえの
豊いなみ野に
青々と
小麦の穂立つ
プリウス走る

想い馳せ
あふれた涙
遠くても
そこにしあわせ
運べるように

青空に
真白き姿
姫路城
二人で見上げ
力みなぎる

発表が
イマイチだった
日の夜に
途中下車して
落ち葉踏む君

B

山颪
木々と街とを
通り抜け
キラキラ光る
海へと届く

神戸っ子
響きにうふふと
酔う自分
産まれた跡地は
玄関口よ

カニ歩き
進化版なる
二足歩行を
ふたりしており
晩餐のあと

E

今川や
回転、大判
あるけれど
やっぱり君の
名は御座候！

千姫の
祈り伝える
姫路城
平和のライト
今宵も灯る

夏来れば
ふと途中下車
須磨ビーチ
ビキニ肴に
恋つまみ食い

F

多聞寺の
追儺の鬼よ
餅を撒く
力んでみても
なでかおかしき

会いたいな
また君想ゐ
山に咲く
馬酔木美し
有明見つめる

長袖の
シャツからとくと
注ぎ込め
山田錦の
田わたる風を

石垣の
隙間に見つけた
白蛇を
大人の今でも
覚えています

乗ってくる
お客の笑顔で
勝ちを知る
六甲おろしの
阪神電車

座る席
今日はどちらに
しましょうか
海を見る方
山が笑む方

大丸を
スタート地点に
したはずが
気づけば戻ってくる
交差点

故郷に
帰って来たなと
思わざる
駅そばの味と
播州弁と

常識が
覆された
円山川
川は南に
流れるものと

はじめての街で
いつもの酒
やっぱり俺は
玉子焼き

A

迷い子に
なりそな慣れぬ
まちに来て
右手の海を
まぼろしに見ゆ

F

走るきみ、
ひと目見たくて
最前列
芝・空青々
かつてのゆり中連体

そこかしこ
掛け声飛んで
魚の棚
蛸さえ立って
走って逃げる

蒲公英と
いふ名の城には
たんぽぽと
名付けらる姫
ありしや昔

誰といて
どこから来たか
なんてこと
灘五郷では
皆がへべれけ

ぎゅうぎゅうの
窓に広がる
須磨の海
心ほどける
朝の3分

新品の
きみが着ている
シャツの色
竹野の海の
青に似ている

須磨の浦
チャイを待つ間の
窓辺には
影絵みたいに
海鳥と空

足腰を
鍛えるつもりは
ないけれど
六甲の紅葉見て登る
通勤の道

異次元の
黒枝豆の
美味しさは
もっちりとして
風味豊かに

新舞子
ひょっこり顔出す
マテ貝を
指でつまんで
喜ぶ子供

赤マルで
白まる姫に
星三つ
円安旗に
他国出迎え

E

教育の
礎築く
師がおりし
兵庫の中央
豊岡の里

甲子園
みんなの夢が
つまってる
涙の数だけ
ドラマにあふれ

神戸市と
いへどもそこは
神戸にあらじ
北区西区の
かなしからずや

きょう阪神
あすJR
あさって阪急
山の顔変わる
通院も楽し

錆色の
滝をゆっくり
登りゆく
加古川線の
各駅停車

トライやる
ウィークの旗
行進す
いつかの僕に
エールを送る

宮水で
育った誇り
忘れない
神宮御神酒は
故郷の酒

牡蠣求め
はやる気持ちを
冬風に
冷ましてゆっくり
室津への路

下り酒
肴にカニ、シシ、
牛までも
旨しが集う
五国の宴

サヤから飛び出る
黒い顔
畑焼けした僕の
ビールのお共

始まりの
島淡路にて
きみを待つ
金の玉ねぎ
銀いろの海

城崎の
お湯はちょっぴり
熱いから
冬に訪れたいよ
一人で

山ばかり
ああ山ばかり
山ばかり
山一つにも
いろいろあるけど

雪のよな
真白な塩で
身を清め
浪士討ち入る
陣太鼓鳴る

立冬に
百年ぶりの
小夏日や
丹波篠山
枝豆肥える

宝塚
大橋渡る
人の顔
ジェンヌでないのは
私たちだけ

まちあるき
仲間とともに
タイムトラベル
白洲の墓に
偉大さを知る

尼ぶらり
えびす神社で
笑けくる
七福神の
コミック色紙（ｼｷｼ）

ペーロンの
ドラと太鼓と
波飛沫
寄り添い観戦
相生の松

山は北
海は南と
教えられ
迷子にならずに
帰れた弟

空港へ
ポートライナー
窓のそと
並んでみおくる
ユリカモメたち

広い窓から
陽が射して
未来見据えた
萌黄の空気を
吸ったみたい

たっぷりの
花束心に
ほしい日は
ミュージアムロードで
アートとスキップ

初恋の
時のごとくに
城崎を
あなたと歩きたい
秋よ深まれ

何気なく
足を延ばした
神戸には
日本の異国が
確かにあった

照りつける
暑さの中に
群れて立つ
いちめんレモン
色の向日葵

日の本が
近代国家へ
駆け抜けた
軌跡なりしや
銀の馬車道

満ち引きの
織り成す縞に
恋心
込めてあなたを
待つ新舞子

そこかしこ
掛け声飛び交ひ
魚の棚
蛸さえ立って
走って逃げる

海と山の
風がそよぐよ
三宮で
高速バスを
トンと降りたら

デートなら
神戸空港
行ってみた？
夜景が綺麗
夏は花火も

姫路城
桜の花びら
頬に落ち
微笑む君に
白き恋情

途絶えしも
甦りたり
コウノトリ
但馬の空に
ゆりかご抱いて

大橋が
通り過ぎてく
助手席で
歌手の名前を
君にたずねる

「美作と
備前を忘れちゃおえん」と
鵺（ぬえ）の七国に
吉備はぼやく

阪急の
車内に阪神
日本一
時代は変わる
自分はどうだ

ホームにて
二杯食べてた
駅そばの
通学帰り
夕日に染まる

摩耶山に
蝉鳴きどよみ
いらだ々し
稿ならずして
日は傾けり

F

はじまり館
五国を学び
知る歴史
我がご先祖は
清盛かもね

丘の上
風見の鶏に
問いかける
海のむこうは
キラキラしてる？

冬スキー
春は花見で
夏は海
実りの秋に
舌鼓

魚の棚
お宮参りや
初節句
七五三でも
明石のご馳走

まちあるき
仲間とともに
タイムトラベル
九鬼の屋敷に
思いを馳せる

兵庫県と大阪府
タイガースの
引っ張り合い

公園より
眺望すれば
須磨の海
タンカー一隻
二ミリの動き

ポートタワー
お色直し後
お披露目会
乙女の如く
徐々に見せてく

子が離れ
ふたりのじかん
平海岸へ
海水浴に

C

東経１３５度
通過するたび
日本の標準時で
愛をさけぶ

出身地
姫路と神戸
山の方
詳細伝えて
「それはどこ？」

眼下より
思いを馳せる
大海原
平和を祈る
若人の塔

ワンランク
落として捌く
魚の棚
旬な彩り
B級グルメ

A

突然の
来客ありて
みやげなし
急いで畑へ
岩津ねぎ掘る

もう傘を
何本も曲げ
神戸には
海風が吹く
山風も吹く

ハロウィンの
太陽公園
いと怖し
初めて聞いた
彼の絶叫

よし行くぞ
学校おわり
三宮
一回降りて
長めの寄り道

友人を
1度は乗せて
みたい須磨
浦山上
カーレーター

街中で
聞かれて困る
名物は
いろいろあるが
味噌だれ餃子

トレロンを
お供にベランダで晩酌
夜空にみなと
神戸の花火

旅先で
どこから来たのと
聞かれたら
つい大阪からと
言ってしまう

亡き父と
歩いた宍粟の
森林(もり)の中
四季折々の
風とせせらぎ

『陸がある！』
千葉から来た友
驚いた
子どもの絵の訳
納得し

子の為と
通いし人博
十数回
気づけば私が
恐竜博士

霧がかる
白いうみくも
まざりあう
曖昧さのなか
歩む朝の子

みなとまち
画家が愛した
百景へ
出かけてみよう
君と一緒に

千種川（ﾁｸｻｶﾞﾜ）、
市川、加古川、
揖保川の
河口であふあふ
瀬戸の小魚

私には
街がふるさと
三宮の
バスターミナルに
待つ母がいる

かつめしを
B級グルメと
言うなかれ
病みつきになる
デミグラスソース

難波から
阪急一本
西宮
あっという間に
素敵な街へ

やり直す
ことは出来るさ
西北の
時計台から
今ファンファーレ

値上げして
家庭の一品（ひとしな）
姿消す
やみつきになる
いかなごのくぎ煮

地下街が
あると知らずに
歩いてた
ごめんさんちか
残酷だった

ヨーイヤサ
やっさ漂う
紙垂(しで)の海
太鼓の響き
波かぶる如(ごと)

異動の日
ライトアップの
姫路城
散りゆく桜
見つめる二人

大地まで
酔わせてしまう
灘の酒
何が起きても
酌もうあなたと