U5H短歌にたくさんのご応募を頂きまして
本当にありがとうございました!!
500首以上の応募の中から厳正な審査の結果、
受賞作品が決定しました。
受賞した皆さま、おめでとうございます!!
500首以上が集まった短歌から、
グランプリや準グランプリ、
選者賞を選ぶため、
坂口涼太郎さん、谷じゃこさんと
スタッフで審査会を開催しました。
皆さまが短歌に込めた想いや
意図を感じながら
選んでいく過程が、
楽しくも悩ましい審査会となりました。
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10首まで絞り込むのも大変だったのですが、この中でも気になるのはいくつかあって、元阪急ブレーブスファンさんが詠んだ、”阪急の 車内に阪神~”という短歌はしびれました。阪急と阪神が同じグループ会社になり、阪急電車に阪神タイガースの優勝広告があることを、時代は変わったと詠みながら、最後に“自分はどうだ”という部分。この言葉にぐさっときましたね。
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そうですね。ずっとブレーブスファンやし、阪急にも乗ってらっしゃるんやろうなと。
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生活も垣間見えますよね。阪急と阪神という言葉も効いてますね。どの路線を選ぶんだ、的な笑 野球の盛り上がりの中で、自分と時代を俯瞰で見れている感じがします。
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静かな想いを秘めている感じがしますね。
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他には、涸れ井戸さんの”やり直すことは出来るさ~”という短歌が気になっています。”やり直すことが出来る”というメッセージをまず持ってきたのが上手いなと思いました。で、次に”西北の時計台”という情景が来ているのが素敵ですね。まるで映画のワンシーンのような。
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それ凄く分かります。西宮北口って人通りも多くて、その中でファンファーレが聞こえて立ち止まるようなシーンが思い浮かびました。
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岡田奈紀佐さんの”布引の名前が似合う~”という短歌は、きっとロープウェイに乗りながら考えたのかな、と想像しました。でも、いろいろと美しい景色がある中で、空を選んだのが素敵だなと。横切るという表現もいいですね。
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”布引の名前が似合う乗り物”という前半部分もおしゃれな感じがしますね!アート展とかもある場所ですもんね?場所のイメージをうまく表してると思います。
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葉月かなさんの”城崎でカニをたらふく~”の短歌は、いろいろと想像できますね!もう本当にたくさん蟹を食べて“ダブルピース”みたいな気持ちなのかなと。もしかしたら、まだ食べたりないのかなとか笑
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実は僕は逆の想像をしました。たらふく食べたし、もういいよ蟹は、的な気持ちで、お酒を飲んで赤らんだ顔まで蟹に見えてしまうような気持ちを詠んだのかなと笑
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本歌取りをしていただいたものって本当に上手ですよね。何か自分よりいいなと思うものが本当に多かったです。
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確かにそうですね。「こっちの方が全然いいやん。」自分の本歌取りを見るたびに思ってました。
ルミナリエ
光でできた
手のひらが
見上げる子らの
頭を撫でる
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谷じゃこさんの選ばれた10首も含めた20首からさらに絞っていくのは本当に悩みました。蜂谷希一さんのルミナリエの短歌は、ルミナリエというメジャーなスポットを題材にしながら、”光でできた手のひら”という表現をしていたり、美しい短歌だなと思いました。
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そうですね。私は、この短歌を見たときに泣きそうな気持ちになりました。いろいろな想いの中に、未来への希望を感じる歌だと思います。
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光が魂みたいにも感じられて、阪神・淡路大震災からの復興へのエネルギーだったり、いろいろなことが想像できました。
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しかも2024年は、しばらく休止されていたルミナリエが再開されるんですよね。そういうタイミングもあるけど、きれいな短歌にまとめられています。
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そうなんですね!それを聞くと余計に命のリレーというか、深い想いが入っているように感じました。
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兵庫県を代表するイベントであるけれど、優しさや力強さ儚さを感じる短歌ですね。皆さんいろいろと思い出すんじゃないでしょうか。
やり直すことは
出来るさ
西北の
時計台から今
ファンファーレ
右手にパン、
左手に菓子、
北野坂
両足がつる
気配が見えて
右手に山、左手に海、
車窓から両手に
花の景色が見えて
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西北の短歌の方は、土地を知らなくても想像できる短歌だなと思いました。本当に審査でも盛り上がりましたよね。
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そうですね、情景が目に浮かぶような短歌です。これで映画が撮れるんじゃないかと思わせてくれました。ルミナリエの短歌と対になるような印象も受けました。
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スキタ マユさんの「右手にパン、左手に菓子」の短歌は、私の短歌の本歌取りですが、私のを越えてるなと思ったんです。パンとお菓子って、神戸を代表する名物ですし北野坂も合わせて、うまく魅力を伝えてるなと。
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神戸のオシャレさを感じましたが、両手もふさがってるから両足つったらヤバイですよね。転んでも両手は離さないかも、と思いました笑
若き母
バイトに通った
アーケード
今は私が
鉄人見上げて
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“鉄人”というと兵庫県民なら誰でもどこにあるものか、分かると思います。それをモチーフにしながら、母と子の2世代のストーリーを感じさせる短歌であることが刺さりました。母親に久しぶりに会ったのかな?この方にとって母親の偉大さと鉄人が重なったのかな?そんな想像ができました。
ばいばいの
腕にてすこし
傾ける
帰省のおわりの
おかめ弁当
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家に向かう途中の電車で食べてるのかな?家族には全力で手を振ってるのかな?と帰省のシーンが目に浮かんできました。兵庫県にちなんだものに、おかめ弁当を選んでいるのもかわいらしいですよね。
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500首以上の応募があったこと、とてもとても嬉しく思いました。そして兵庫県というテーマでこんなにも集まるのか、驚きました。どの短歌も、皆さんからの手紙を拝見しているような気持ちになりました。選ぶのは本当に難しくて、泣く泣く絞り込んでいます。今回選んだものは読み手の人生だったり生活だったりが、ふわっと浮かび上がってくるようなものを選んでいます。集まった短歌をアテにしてお酒が飲めるなぁと、そんな気持ちになれました。ありがとうございました。
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皆さんの想い入れが一首一首から感じられて、その想いと闘いながら今回は選んでいきました。それに短歌を通じて兵庫県にはこんなにも魅力的なモノが多いんだなと、改めて感じました。そういう意味でも、短歌って素晴らしいなと思います。坂口さんがお酒のアテに・・・と仰ってますが、この短歌をネタに一生喋れるんじゃないかと思えるくらい、素晴らしいものばかりでした。ありがとうございました。