自分たちの手で持続可能な環境を手にいれる!
「ふるさとひょうごSDGsスクールアワード2025」最優秀受賞校にインタビュー

地球や自分たちのまち、学校など、自分たちが暮らす環境を、自分たちの手でよくしたい。そんな取り組みを実践し、「ふるさとひょうごSDGsスクールアワード」(太字をhttps://www2.hyogo-c.ed.jp/hpe/gimu/sdgssa/ にリンク)で最優秀を受賞した兵庫県各地の学校園4校。それぞれの「持続可能」とは。5分の動画だけではわからない裏側なども含めて、お話を伺いました。動画作品とともに紹介します。
◼️芦屋市立緑保育所(未就学部門)
「桑の葉で繋ぐ蚕の暮らしと私達の暮らし ~命から広がるSDGs~」


動画はこちら→ 芦屋市立緑保育所の動画を見る(外部サイトに移動します)
蚕も、桑の葉も、カメムシも。目の前の「いのち」に目を向ける。
(お話を伺った人:クラスを担任していた、上岡先生)
ーそもそも蚕の飼育は毎年実施している取り組みなのでしょうか?
芦屋市の公立保育所では40年以上前からやっているんです。だからうちの保育所でも、「年長組になれば自分たちが蚕を飼育するんだ」っていうのはみんな楽しみにしていて。
年長組が蚕の飼育のために校庭の桑の木から葉っぱを採って蚕にあげるのですが、一人の子が「蚕は桑の葉をむしゃむしゃ食べてどんどん大きくなるんだったら、なんで人間は食べないんだろう」って言い出したんです。
ーそこから桑の葉への興味が一気に広がるんですね。
そうなんです。桑の葉をどう活用できるか、考えたり試したりしました。すると今度は「葉っぱが枯れてなくなってしまうのはもったいない」って言い出して。
ーこんなにいいものなのに、と(笑)。
夏の葉っぱがたくさんついている時期にハサミで切ってビニールに保存して。で、腐るということも経験して。それで完成した桑の葉パウダーは、最後残っていたものを蚕が眠るお墓にかけてあげていました。「蚕が喜ぶかもしれないから」って。
ー本当に優しい‥!
名前をつけるほどかわいがっていた蚕が死んだりと、5歳児にはなかなか辛いこともあるのですが、その蚕が産んだ卵が孵ったりと命のサイクルを感じられたことで、生き物を大事にするようにもなりました。
食事中に小バエが入ってきても「お願いだからお部屋から出て行ってね」とそっとドアの外に逃したり、怪我をしたカメムシを見つけたら「ここだったらカラスに食べられないよ」と移動させてあげたり。みんな、冬で葉っぱがない桑の木にも水やりしていました。「また来年たくさん葉っぱをつけてね」って。

5歳児びわ組のみなさん。

芦屋市長が見学に来た際に、保存していた蚕の卵を見せながら蚕の成長過程をみんなで説明。
◼️丹波篠山市立西紀北小学校(小学校部門)
「北小トイレバリアレンジャー ~自分たちにできることを~」
校長先生と交渉決裂!? やってみたからこそ、「気がつかなかったこと」に気がつけた。
(お話を伺った人:児童のみなさん)
ー動画では小学校のトイレ問題解決に挑んでいましたが、実際に難しかったところは?
一番印象に残っているのは、校長先生との交渉です。解決策をみんなで練って、校長先生に提案しにいってみたら、自分たちが思ってなかったことを言われてびっくりしました。
正直、オッケーって言われると思ってたから。
ーどんなことを校長先生に突っ込まれたのでしょうか?
「トイレが臭い」という問題があって、消臭剤を置く提案をしたら、「香りのアレルギーがある人にはどういう対策をするんですか」と言われて‥。
僕たちはそんなアレルギーがあるって想像してなかったからびっくりしました。
あと、「便座が冷たい」という声があるのでトイレカバーを提案したら、「汚れたら誰が替えるのですか」っていうのも指摘されたよね。
そういうことを考えてなかったから、何も言い返せなかったんです。
ーなるほど。じゃあ持ち帰ってみんなで議論したりとか?
はい、みんなで考えた結果、消臭剤もトイレカバーも諦めることにしたんです。
そのかわり、どうして臭いのか、ということをもう一度考えて、流し忘れとか飛び散りを解決しようとなりました。
ートイレバリアレンジャー、やってみてどうでした?
僕はアレルギーのこととか、自分たちが知らないこともたくさんあるんだなと思いました。
私は、自分だけでできないことは誰かに聞いたり、みんなで考えたらいいんだなって思いました。
僕は‥取り組みから1年経ったけど、この経緯を知らない誰かが消臭剤を置いていたり、せっかくきれいだったスリッパがまた散らばっていたりっていうのが気になってて。ずっと続けていくのは大変なんだなって改めて思いました。

「トイレバリアレンジャー」のみなさん。

校長先生との交渉は2回に及んだそう。
兵庫教育大学附属中学校(中学校部門)
「私たちの居場所づくり・絆づくり」
学校の廃材も、地域の竹も活用。自分たちの居場所は自分たちでつくる。
(お話を伺った人:山本先生・東条先生)
ーそもそもなぜ「居場所づくり」というテーマだったのでしょうか。
もともと生徒会が「Your Place ~明日も来たい附属中~」というスローガンを掲げているので、自分たちが「居場所」と思える学校を作ろうと、探究学習の時間を使ってみんなで進めてきたんです。生徒たちが自分が居場所にしたい場所を見つけてきて、そこをより良い居場所にするために、使われなくなったものや余っているものでなにかできないか構想を練ったり。
ーなるほど。でも「購入ではなくて、再利用」という発想はどこから来たのでしょうか。
生徒たちは1年生から地元・加東市の特産であるもち麦を題材に活動を続けているのですが、収穫後のわらの活用を地域の方に教えていただいて、ヒンメリというフィンランドの伝統的な飾りを作ったんです。そういった経験が残っていたのかもしれないです。学校にある廃材置き場に行って捨てられた椅子とかをなにか再利用できないかと。
ー聞いているだけで楽しそうです。
そうですね、文化祭で余った糸を使ってハンモックの座面を編んだり、捨てられていた椅子の骨組みに、竹を切って座面を作ったり。竹の椅子は座り心地も何度も試して、竹の節が当たると痛いよねって作り直したりして、「使う人」に対して意識を持って制作していたのも印象的でした。
ー「居場所づくり」、順調そうです。
いや、課題もたくさんあります。自分たちが決めた場所に「花壇を作りたい」というグループがあったんですが、作った後、だれが維持をしていくんだという話になったんです。「作ってみたはいいけど」ではだめだと。美化係がお世話をするのか、有志を募るのか、などみんなで話し合っているところです。
ー「持続可能」に本気で向き合っているわけですね。
椅子もまだ一脚でどうやって増産していくのか、など課題は山積み。竹も今回は私が知り合いに声をかけていただいてきたものですが、本当は地域の竹問題から生徒たちに関わってもらえたらなとか。今年度で終わることではないと思うので、まだまだ過程だと思っていますが、生徒たちがこれまで当たり前に感じていた学校という居場所を再認識できたのはよかったかなと思っています。

捨てられていた椅子の骨組みに竹を切って座面を制作しているシーン。座り心地も確かめながら何度も調整していたそう。

文化祭で余った紐を活用して作られたハンモック。気持ちよさそうです。
■県立佐用高等学校(高等学校部門)
鶏卵の生産販売を通した資源削減とブランド卵作出への挑戦
地域に広がる、地域と広げる、僕たちの「さよたま」づくり。
(お話を伺った人:「こっこくらぶ」のみなさん)
ーさよたま」、食べてみたくなりました。そもそも「さよたま」を産む鶏の飼育は授業の一環なのでしょうか。
鶏の飼育自体は授業の一環ですが、高校の農業科学科の中でも鶏好きが集まって「こっこくらぶ」という部活というかクラブみたいなものを結成していて、その鶏たちの卵をよりよくする研究などを行っているんです。全員で6人いるんですが、そのメンバーで放課後に活動しています。
ー動画でも販売会には長蛇の列ができてましたね。
こっこくらぶは令和8年度で7年目って聞いてますが、地域の方々が買ってくださるようになって、そこからだんだん広がって、今では楽しみにしてくださる人がたくさんいらっしゃるようになったという感じだと思います。毎回「ありがとう」って喜んでもらえるので、そういう時に僕たちもやっててよかったなと思います。
ー聞いているだけで楽しそうです。
そうですね、文化祭で余った糸を使ってハンモックの座面を編んだり、捨てられていた椅子の骨組みに、竹を切って座面を作ったり。竹の椅子は座り心地も何度も試して、竹の節が当たると痛いよねって作り直したりして、「使う人」に対して意識を持って制作していたのも印象的でした。
ー「さよたま」のパッケージもプラスチックから紙製に変えるなど、取り組みも進化しているんですね。紙製のパッケージのハンコもすごく味があって素敵ですが、それもみんなで?
そうです。自分たちでデザイン案考えて、消しゴムハンコをつくって。たまたま器用なメンバーがいてラッキーでした(笑)。
ーパッケージもそうですが、「佐用もち大豆」のおからを作った取り組みも。
せっかくこんなにいい特産品が地域にあるんだから何か活用してさらにいい卵が作れないか、というのがスタートでした。ただ、実際は大変で‥。夏場だとカビが生えるのが早くて、めちゃくちゃ臭いし、量もあるし、しんどかったです。
あとは乾燥おからをどうやって粉末にするかとか、どれくらいの配合だったら鶏たちが喜んでくれるだろうとか、先生たちと考えるのも時間がかかりました。
ーそんなに大変なのに、「やめよう」とはならなかった?
あ、それはなかった!やめようというよりは、どう改善したらどう良くなるかの興味もあったし。
あとは時々、終わった後に先生が検査に使った卵で卵焼き作ってくれるんですよ。
それがモチベーションやったよな。
間違いない。(笑)
でも、本当に僕たちが活動するにあたって、地域の方々がとても協力的で、なんでも挑戦しやすい環境なんです。それがとてもありがたいなって思ってます。

インタビュー時にも「こっこくらぶ」の帽子をかぶって参加してくださった、メンバーのみなさん。Instagram(https://www.instagram.com/kokko.club_sayo/)でも活動を発信しているそうです。






















